ニンジンの葉を大量に食べつくした害虫

知人の畑(中村さん)で奇妙な虫を見つけたので、お話いたします。中村さんは、ニンジンを大量に生産しているので、毎年、甘くて色の良いニンジンを出荷しております。その中村さんから「畑になんか変な虫がたくさんいるので見てくれないか?」という電話が来たので、すぐに行ってみました。

変な虫がたくさんいる場所を教えてもらいニンジンを見てみると、葉が食べつくされております。その近くを見てみると、「いた~~いました!」うわ~これ気持ち悪い形している虫だな~

大きさは、15mmくらいで、カミキリムシのような形をしており、頭部が赤く、首から下が真っ黒でハネに白い縦筋がはいっております。この虫を見て思い出しました!この虫の正体は、マメハンミョウだ!

マメハンミョウは、昔から危険な虫として有名なんです。何故なら、この虫は、体内にカンタリジンという毒をもっているので、この体液が人間の皮膚につくと皮膚がやけどしたみたいにただれてしまうのです。しかも、カンタリジンは斑猫粉ともいわれ、斑猫粉はトリカブトと共に毒薬として
利用された歴史があり、成虫4~10頭くらいで致死量に達します。

マメハンミョウの成虫は、土中に卵を産みつけますので、春から初夏になると幼虫が孵化して土から出てきます。幼虫は、バッタやイナゴを見つけると背中に乗り、しがみついて共に行動をします。そして、バッタやイナゴが産卵をするとその卵を食べて大きくなります。
成虫になるとニンジン・白菜・大豆・インゲン・アズキ・ナス・トマトなどの葉を見つけて食い荒らします。

成虫は、日中活発に活動をし、羽化後1週間くらいで交尾して、土中に100卵粒くらいの卵塊を産卵します。バッタやイナゴが多いとこの虫が大量に発生する傾向があります。

中村さんの畑の周りを調べてみるとバッタがかなり多くいたので、これが大量発生した原因にもなっております。子供がこのことを知らないで、マメハンミョウを捕まえてしまうとかなり危険なことになりますので、すぐにマメハンミョウに効く薬を散布したところ、翌日には全滅しておりました。私は、子供の頃にこの虫のことを知らないで、虫を捕まえたら、体液が腕についてひどく皮膚がただれた経験がありますので、注意してください。

白菜も穴だらけにしたダイコンサルハムシ

ダイコンサルハムシ

うちの近所の畑(斉藤さん)の白菜に人が集まって話をしていたので行ってみると、白菜が穴だけになっておりました。斉藤さんは、「こんなになるまで気がつかなかったけど、いったいなんの虫がやったんだろう」と言っていたので、私が教えてあげることにしました。

これは、前回記事にした虫とおんなじ虫の仕業になります。そう!ダイコンサルハムシの幼虫と成虫が葉を食い荒らしていました。白菜の被害を見ると3分の1ほど葉を食い荒らされており、まだ、中央の白菜までは被害が進んでないので、急いで、駆除することにしました。
荒らされている状況をみてから判断したのですが、虫は100匹近くいるような状態です。この近くの畑を見ても、やはり、この虫の被害があり、全部の虫の数を数えたら1000匹は超えていると思います。

今年は、ダイコンサルハムシの被害が多いね~って、皆に言いましたが、この虫の名前を知っている人はいませんでした。モンシロチョウか毛虫がきて食べたような感覚になっていたみたいです。そこで、畑で、この虫の生態について前回と同じように教えてあげました。

ダイコンサルハムシ

虫は黒藍色で光沢のがあり、さわろうとするとポロッと地面に落ちてわからなくなります。この虫は、寒さにはかなり強く、冬でも暖かいと葉を見つけて食害しております。成虫の寿命は500日くらいあり、かなり生命力は強いです。生きている間に産む卵の数は、1000個以上産卵するので、放置しておくと大量に発生してしまうことになります。ダイコンサルハムシは、ハネがあるのにあんまり飛翔せず、歩行による移動がほとんどで、活発に動き回ります。

と、皆に詳しく教えてあげると、虫の名前とこのままにしておくと数が増えて危険ということは、つたわったみたいです。駆除の仕方も教えてあげることにし、このダイコンサルハムシに効く薬1袋を1リットルの水に溶かし、こうやって畑に噴霧器で散布してあげれば、すべての虫を退治できると教えてあげました。今年は、この虫の数が圧倒的に多いので、これから作る野菜にも薬を散布しておけば大丈夫なことを教えてあげました。

しかし、ほんと今年は、この虫が多いですよ。

小松菜の葉を穴だらけにした虫は、これです!

小松菜

友人から電話があり、畑に来てくれと言うので行ってみると、小松菜の葉が穴だらけになっていました。葉の裏面を見てみると、黒い幼虫が葉を食べておりました。成虫も葉の表面にいたので見てみると、黒藍色で光っている虫です。

友人は、「この虫は何?」と聞かれたので、これは、ダイコンサルハムシといって、放置しておくと大量に発生する虫だといいました。
この虫は、約5ミリととても小さいのですが、大量に発生して、成虫、幼虫とも葉を食害していきます。幼虫は葉裏から食害していき、成虫は表から食害していきます。知らないでいると葉脈だけ残してあっという間に食い尽くされてしまいます。

小松菜

成虫は黒藍色で光沢のがあり、さわろうとするとポロッと地面に落ちてわからなくなります。この虫は、寒さにはかなり強く、冬でも暖かいと葉を見つけて食害しております。成虫の寿命は500日くらいあり、かなり生命力は強いです。生きている間に産む卵の数は、1000個以上産卵するので、放置しておくと大量に発生してしまうことになります。ダイコンサルハムシは、ハネがあるのにあんまり飛翔せず、歩行による移動がほとんどで、活発に動き回ります。

この虫が野菜を食い荒らしていたら、すでにかなりの数のダイコンサルハムシがいると思ってください。驚いたことに近所の畑の小松菜を見たら、葉が食い荒らされていたんです。近所の畑と友人の畑の被害を見たらダイコンサルハムシが成虫と幼虫を入れて500匹以上はいるだろうと思いました。

この虫は、小さくてすばしっこくて、捕らえようとするとポロッと落ちしてしまうので、駆除は困難になります。そこで、この虫の効果的な駆除方法ですが、このダイコンサルハムシに効く薬を使います。これは、10袋入っているので、1袋を1Lの容器に入れて混ぜれば良いだけです。私は、この噴霧器に水を入れて1袋入れて混ぜてから使っております。壊れにくいので個人的には良いと思います。混ぜたら後は、葉が食い荒らされている野菜に全部かけておけば、すぐに駆除できます。被害にあっていない野菜にもすべてかけておきましたので、安心して野菜を栽培できます。

友人の畑の虫を駆除してから、その近所の畑を見て回ったのですが、ほとんど同じ虫に食い荒らされておりました。こんなにこの虫が大量に発生した年は、珍しいですね。

ツマジロクサヨトウの被害がすごいスピードで全国へ広がっています。

ツマジロクサヨトウは、ヤガ科の害虫で鹿児島で発見されてから、現在は、九州全県と沖縄・高知・岡山・千葉・茨城など、被害エリアは拡大しております。
台風が発生すると、その風にのって長距離を移動していくので、被害は増えていくばかりになります。飛行距離は、100km以上は、簡単に飛んでいくことが可能です。

成虫は、ハネを広げたところを計ると約36mmになり、幼虫は頭部を見るとYの文字みたいな斑点が見えます。幼虫の頭にYの文字があったら、間違いなくツマジロクサヨトウの幼虫です。幼虫がよく食べる植物は、トウモロコシ、イネ、サトウキビ、キュウリ、トマト、ナス、サツマイモ等になります。幼虫は、集団で葉・茎・果実を食害し、成長すると分散しながら食害していきます。

このツマジロクサヨトウが世界で恐れられているのですが、その理由は、成虫の雌は一生の間に1000個以上の卵を産むのです。雌が植物に卵を産むと、幼虫にふ化する日数も早く数日で出てきます。天敵もいるのですが幼虫の数が多すぎて、鳥たちも食べきれないような状態になります。

雌は葉裏に産卵するので、その時に見つけられればいいのですが、なかなか見つけることもできず、幼虫がでてくると、食害しながら成長していき、大きくなって分散していくので、あっという間に、畑が全滅になります。
私は、前にこの幼虫がたくさんいた畑を見たことがありますが、その数の多さにびっくりしたほどです。あれだけ多くの幼虫を見たことはなかったので恐ろしくなりました。

近年では、温暖化で台風も発生しやすくなってきているので、あと2年もしないうちに全国に広がっていくと思います。もし、幼虫を調べてもらってツマジロクサヨトウの名前があがってきたら、このツマジロクサヨトウに効く薬散布すれば退治することができますので、覚えておいてください。ヤガ科の蛾に対しては、この薬は効果がありますので、威力を発揮するでしょう。

ダイコンの葉を食い荒らす黒い害虫の駆除方法

ダイコンを栽培していると葉に真っ黒い幼虫がいて、葉を触ると、ポロッと地面に落ちます
幼虫は黒いので地面に落ちると、どこにいるかわからなくなります。ダイコンの葉の下にこの黒い幼虫が落ちると、とても探しずらくなります。ダイコンを栽培している人なら想像が出来ると思います。
この真っ黒な幼虫がたくさん出てくるとダイコンの葉もあっという間に食べられてなくなっていきます。
この幼虫は、カブラハバチの幼虫で、成虫は、体長8mmくらいで胴体がオレンジ色で頭とハネが
黒いです。幼虫は黒くて体長が2cmくらいで、体側に13個の黒紋があります。皆さんもこの成虫が飛んでいたり、ダイコンの葉にとまっているのを一度は見たことがあると思います。

成虫は、ダイコンの葉肉の中に卵を産みつけると、孵化した幼虫は、柔らかい葉をどんどん食べて大きくなります。幼虫が大きくなると、葉脈だけを残して食べつくしていきます。
幼虫がたくさんいると、丸いような糞がたくさん葉や茎につくのでわかるかとおもいます。
幼虫は、昼間でも集団で葉について食べているので、見つけたら捕殺します。しかし、この成虫と幼虫の外敵がいないため、どんどん増えていってしまっているのが現状です。

私の知人の畑でも、やはり、ダイコンの葉に、黒い幼虫がいたので、捕殺しようとして葉にさわったら、ポロッと落ちて、あとはどこにいったのかわからなくなってしまったそうです。ダイコンの葉って広がっているので、その下を探すのってかなり大変なんです。知人は、かなり大きな規模でダイコンを栽培しておりますので、この幼虫の駆除はとても大変になります。そこで、私が、このカブラハバチに効く薬散布したところ、すべて退治することに成功しました。薬が効いている効果も長いので、駆除できてよかったです。

しかし、近年、野菜の害虫が増えているので、自分たちの畑を駆除しても、他の畑でカブラハバチがいたら、いつやってくるかわからないので、こまめにチェックが必要になってきます。皆さんも黒い幼虫には注意してください。