ネクタリンの実をヤガの被害から守る方法

ネクタリンの害虫

斎藤さんという人がいるのですが、10年前からネクタリンの木を10本植えて毎年、多くの美味しい実を採っておりました。ところが近年、温暖化の影響で、ヤガの被害が増えてきて実があんまり採れなくなっておりました。

ヤガは、昼間は山林に隠れており、夜になると山林から飛んできてネクタリンの実にきて果実の表面から口針を刺し込んで吸汁するため、その部分が柔らかくなってきて、やがて腐敗していくので被害が広がっていきます。ヤガの種類も豊富で1000種類は超えると言われており、夏から秋に多く発生します。

農薬を散布するのが一番の方法なのですが、ヤガの数が多いと農薬の散布回数も多くなったり、濃度もあげなくてはいけないので、かなりの問題になります。
そこで、私が思ったのは、蛾の生態行動について調べてみました。皆さんも夏になって街灯の下をみるとわかると思いますが、蛾が特に集まっている街灯は、紫外線がでているので、蛾を誘引してしまっているんです。

蛾が好きな光は、青・緑色になり、特に虫があつまってしまいます。ところが黄色の街灯では、誘引性が低いのです。これは、黄色の光をみると蛾は昼間と勘違いしてしまうため、そこに集まらないのです。黄色の光をだすことによって蛾の色の識別能力が低下し、通常の蛾の行動の活化を防ぐことができるのです。

そこで、この高輝度黄色LEDテープライトを使い、1本のネクタリンの木のてっぺんから4つの黄色テープライトをクリスマスツリーのように張りました。

黄色のLEDテープライトを6本の木にセットし、残りの4本には、それぞれ、赤のLEDテープライトと青のLEDテープライトをそれぞれセットしてました。

これを1か月おこなったところ、やはり黄色のLEDテープライトを張ったネクタリンの被害は極度に減少し、青と赤のLEDテープライトの木は、ものすごい被害になっておりました。

今は、斎藤さんのネクタリンの木は、時期になると黄色のLEDテープライトをセットしているので、被害は、かなり少なくなり、美味しいネクタリンの実を食べているそうです。

この方法は、キャベツなどの野菜にも効果があると思いますので、行ってみるといいと思います。畑の野菜の場合は、野菜の頭上に一直線にLEDテープライトを張り、夜になると明かりが出るようにすると良いと思います。

 

柿がカキノヘタムシガの被害にあったときの対処方法

カキノヘタムシガ

私の畑には、柿の木が3本植えてありますが、何年かに一度、カキノヘタムシガの幼虫の被害にあうことがあります。

この幼虫は、柿のヘタの近くから実の内部に侵入し、内部を食害していき、やがて落果させます。加害されている実をつかむと、幼虫が柿のヘタの部分から顔をだすことが多いので、ヘタムシなどと呼ばれております。
この幼虫が、やっかいなのは、1匹の幼虫が数個の柿の実を加害していくので、知らないでいると
被害はとても大きくなります。

私の家の近所に町田さんがいるのですが、柿の木を何本も持っていて、柿の実を時期になるとJAに出荷しております。この町田さんもこの虫の被害にあったことがあるんですが、9月頃にこの幼虫がたくさんいることを知らずにいたら、ほとんど落とされて出荷できないような状態にされたことがあります。幼虫が侵入した柿の実は変色していき、やがてヘタを残して落下します。
樹上に残っているヘタには、穴があり、そこに虫の糞があったら幼虫がいると思ってください。

このときの被害は、とても大きくどうしようもできない状態で、次の年には、幼虫をださないようにこまめに薬をまいて対処しました。

カキノヘタムシガの成虫は、年に2回、5月上旬~6月中旬、7月上旬~8月中旬頃の2回発生します。卵は、柿の新芽の周囲に産卵し、卵から孵化すると葉芽に入って食べ、大きくなると果実に入って内部を食べていきます。幼虫が卵から孵化する前に薬を散布しておくのがベストになります。

カキノヘタムシガの幼虫の駆除方法ですが、5月上旬頃と7月上旬頃の2回、幼虫が実の中に
入る前に、このカキノヘタムシガの幼虫に効く薬を水に1500倍に薄めて散布してください。

この蛾の幼虫は、薬を早めにまいておけば駆除できますので、参考にしてください。

スモモの実が茶色になり、病気になってしまった時の対処方法

灰星病

スモモは、甘み、酸味があり夏のさわやかな果物として人気がありますので、庭に植えている人は、多いと思います。
スモモは、耐寒性があり、高温乾燥にも耐えるので、どこでも栽培可能ですが、開花期に霜にあったると結実しません。開花期と収穫期に雨が少なく、水はけと日当たりがよく土壌の深いところが敵地になっています。

私の家の近くに、風間さんという人がいますが、風間さんの庭にもスモモが植えてあります。
2年くらい前に、風間さんから電話が来て、「実が茶色に変色しているので見に来てくれないか」と言われてたので、行ってみると、かなりの量の実が茶色くなっていました。

私は、この状態の実を見て、灰星病だということが一目でわかりました。

灰星病は、スモモの実が成熟し、収穫から3週間くらい前になると発生します。
はじめは、淡褐色で、円形の病斑が広がっていきます。しばらくすると、へこんできて、表皮がもろくなっていきます。この病気が発生すると、2~3日で果実全体に広がっていき、灰色の胞子がでてくるので、白いようなものがたくさんついている状態になります。この胞子は、1mmくらいの小さな球が無数に集まっているんです。これが広がっていくと、やがて病斑が枝を取り巻き、そこから上を枯らしていきます。実は、そのままにしておくとミイラ化していきます。

灰星病は、近年の温暖化の影響により、降雨日数が多いので、そのときに多発しております。

この病気が多い時期は、6月~8月で、梅雨が始まる6月頃から発病し、気温が上がる8月頃まで発生しております。カビによる病気なので、そのままにしておくと再発し、被害は広がっていきます。古い葉や落ちた実の下でカビが冬越しして、春になると胞子が繁殖して実に付着することが原因になっております。

この病気が出たときの対処方法ですが、病気になっている、実、枝、落ち葉、落ちてる枝、落ちている実をすべてかたづけて処分し、あとは、この灰星病に効く薬を水に800倍に薄めて、症状が出た木に散布してください。カビの菌によるものなので、まわりにある木や植物にも散布してください。

近年は、雨が長く降り続くことが多いので、この病気は、発生しやすくなっていますので、こまめにチェックすると良いと思います。

オリーブの枝に黒いコブのようなものができていたとき?害虫の仕業?

ゴマダラカミキリ

私の家から2kmほど離れた所に江本さんという人がいるのですが、この人の畑には、たくさんのオリーブがあります。そこのオリーブの木に黒いコブのようなものができていたことがあります。

ここで黒いコブのようなものと考えると、根頭癌腫病が頭に浮かんできます。
根頭癌腫病は、バラ科の植物に多く発生し、モモ、ビワ、リンゴ、梅、ナシ、プラム、サクランボ、プルーン等がなりやすいです。

症状は、幹の地際付近や根の部分にコブ状のものができます。
できはじめの時は、コブには弾力があり、これが進行すると肥大していき、やがて黒色になって硬いコブになります。コブは切り取っても再生することが多いです。
根頭癌腫病に感染した苗があれば、土壌は汚染されていき、他の植物に次々と感染を起こし、被害が広がっていきますので、感染した苗は、土ごと綺麗に処分した方がベストだと思います。

オリーブは、モクセイ科の植物になっていますので、根頭癌腫病にぜったいにならないとは、いいきれませんが、なりにくいと考えられます。

では、江本さんのオリーブの枝にできた黒いコブは何か?といいますと、次の害虫が、頭の中に浮かんできました。

・オリーブアナアキゾウムシ
・ゴマダラカミキリ

この2つの害虫は、オリーブの木に頻繁にやってきます。

オリーブアナアキゾウムシは、形は、象のような鼻をもっている虫です。オリーブを見つけると、木に穴を開け、象のような鼻を使って、樹皮を食い荒らしていきます。
この虫の寿命は3年くらいで、幼虫→さなぎ→成虫へと変化します。産卵の時期になると約200
個も産み、活動期も長く4月~11月まで活動します。
産卵期は、4月~10月で、産み付けられた卵は、約1週間くらいで孵化し、2ヶ月もたつと成虫になります。このため、幼虫と成虫が活発に活動する8月~10月は、一番被害が出てきます。

オリーブアナアキゾウムシは、オリーブの木が大好きで、幼虫は樹皮に潜入し、ぐるぐる回るように幹の柔らかい部分を食い荒らしていきます。成虫は、地面近くの樹皮から、枝の樹皮まで食べていきます。幼虫は、木の根元周辺の土から10cmくらいの場所に潜んでいるので、江本さんオリーブの木の下の方を調べ見たのですが、荒らされていませんでした。

もし、貴方のオリーブの木の下が荒らされているようでしたら、この虫の仕業なので、このオリーブアナアキゾウムシに効く薬を2000倍に水に薄めて散布してください。4月と7月の2回、散布すると良いと思います。

では、江本さんの木を荒らしたのは、何かといいますと、ゴマダラカミキリになります。木の根元を調べてみると、おかくずのような物がばらばらと落ちていて、木にも穴が開いています。穴の近くからは、木のくず(糞)らしきものも出ていました。私は、穴の近くにある木のくず(糞)をどかして、このカミキリムシに効くスプレーを穴の中にふきつけました。このスプレーは、木の中の届かないような場所にまでガスがとどきますので、幼虫も全部死にます。

スプレーをまいてから1ヶ月くらいしてから木の様子を見に行きましたが、木も荒されてもいなく、被害はおさまりました。

近年の温暖化で、日本の四季がなくなってきたような感じになり、このままですと、冬場でも害虫が活発になるような時代が来ているような気がいたします。早めに気がついて対策を行いましょう。

梅の木にびっしりと害虫がついていたときの駆除方法

梅の木の害虫

私の家の近くでは、自分の庭や畑の脇などに梅の木を植えている人が多いです。
梅の種類は、南高、白加賀、豊後の3種類が多く、毎年、梅の実がなると6月頃にブルーシートを広げて、梅の実を落として収穫しております。

昨年も6月に、大量の梅の実を採ることができたのですが、近所の佐藤さんの家だけ梅の実がならなかったみたいで、どうしたのか行ってみると、木にたくさんのタマカタカイガラムシがついておりました。

佐藤さんは、気がついていなかったみたいなので、このカイガラムシがいるから梅がならないんだよって言うと、はじめて害虫がいるのをそこで気がついておりました。

タマカタカイガラムシは、球形で赤褐色に暗褐色の横長の紋があり、雄は約2mmくらいで、雌は約5mmくらいの大きさです。5月頃になると梅の木に大量に発生することが多いんです。
このカイガラムシがいると、天敵のアカボシテントウも出てくるので、カイガラムシは、体から分泌する甘露を出し、それをアリに与えて外敵から身を守ってもらっております。

タマカタカイガラムシが大量にいると、梅の木の枝は枯れていくので、梅の実もならなくなっていきます。また、排泄物もたくさんでるので、すす病も発生します。
すす病になると、枝や幹や葉が黒いすすのようなもので覆われていくので、光合成も阻害されるので、生育も悪くなっていきます。

このカイガラムシの駆除方法ですが、梅の木には、マシン油乳剤がいいのですが、これを使うとベタベタしてきてしまうので、タマカタカイガラムシに効く薬を水に1000倍に薄めてから散布してください。梅の収穫後~落葉前 の間に2回ほど散布すれば退治できると思います。

佐藤さんの家の梅の木は、南高なので、木を枯らしてくのはかわいそうなので、私が薬を散布しておいたので、現在では、カイガラムシの姿はありません。今年は、たくさんの大きい実をつけてくれると思います。